太陽光の電力をEVでフル活用、京セラらが再エネ「需給一体型」ビジネス」を実証へ

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2019年05月30日 07時00分 公開,陰山遼将,スマートジャパン

 画像:再エネ「需給一体型」ビジネスモデルのイメージ 出典:京セラ
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 京セラと中国EVメーカーBYDの日本法人であるビーワイディージャパンが、太陽光発電システムで発電した電力を、
 BYDジャパンのEVバスなどに活用する「需給一体型」の新たなビジネスモデルの構築に向けた協業を開始した。

 京セラと中国・深圳市の電気自動車メーカー比亜迪(BYD)の日本法人ビーワイディージャパン(BYDジャパン)は、
 京セラの太陽光発電システムで発電した電力を、BYDジャパンのEVバスなどに活用する「需給一体型」の
 新たなビジネスモデルの構築に向けた協業を開始すると発表した。
 2019年6月から開始する。

 「需給一体型」とは、発電と消費をセットにして需給バランスを担保しながら、発電された再エネ電気を100%有効活用するモデル。
 協業では、京セラが再エネの提供に加え、VPP実証事業で培ったアグリゲーション技術を生かし
 電力需給バランスを最適に制御するEVバス向け充電管理システムの開発などを担当する。
 BYDジャパンは、小型EVバス、「J6(ジェイシックス)」など日本市場に最適なEVバスの提供とEVバス開発で培った知見を生かし、
 電力消費サイドからの課題抽出と解決に向けたコンサルティングを行う。

 現在、日本では
  「環境負荷が少ない自動車の普及及び使用の促進」、
  「自家用自動車から環境負荷の少ない公共交通機関への誘導」
 が推進され、経済産業省は
  「2050年までに自動車1台あたりの温室効果ガスを2010年比で8割程度削減、乗用車は9割程度削減を目指す」
 という目標を定めている。

 京セラは、今後、自治体や電力小売、送配電事業者の協力も得ながら、
 同モデルを一般住宅用やカーシェアリングサービスなどコミュニティー全体の自立電源として利用することも視野に入れている。
 2020年に実証実験を開始し、2021年以降に「再エネ需給一体型」ビジネスの事業化を目指す。

 BYDは1995年に創業。現在、約40の拠点、約30の生産工場をグローバルに展開している。従業員数は約22万人で、
 EVの販売実績は約25万台(2018年12月期)。
 ITデバイス、環境エネルギー、モノレールに関連する事業などを含め売上高は約2.2兆円(同)に達する。