「粛清説」の金英哲氏、北朝鮮で健在 正恩氏と芸術鑑賞

 北朝鮮の朝鮮中央通信は3日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が軍部隊の芸術公演を鑑賞し、金英哲(キムヨンチョル)党副委員長ら幹部が同行したと伝えた。
 英哲氏をめぐっては先月末、韓国の一部メディアが、2回目の米朝首脳会談が決裂した責任を厳しく問われたとする「粛清説」を報じていたが、健在が確認された。

 同通信によると、正恩氏は2日、軍人家族芸術サークル・コンクールで入選した軍部隊の公演を平壌で鑑賞。
 英哲氏は最高人民会議の崔竜海(チョリョンヘ)常任委員長らとともに同席し「党副委員長」の肩書で紹介された。
 同通信が配信した写真によると、英哲氏は正恩氏から5番目の席に座っていた。

 韓国大手紙の朝鮮日報は5月31日、2月末にハノイで開かれた2回目の米朝首脳会談が決裂したのを受けて、対米交渉を統括していた英哲氏が失脚、労役刑になったと報道。
 ポンペオ米国務長官は記者団に「我々は事実確認に最大の努力をしている」と語っていた。(ソウル=武田肇)

朝日新聞DIGITAL 2019年6月3日11時07分
https://www.asahi.com/articles/ASM6334VYM63UHBI00J.html