水素電車を実証試験へ 21年度中にJR東

 JR東日本は、水素をエネルギー源とする燃料電池車両=イメージ図=を
新造し、二〇二一年度中に、川崎、横浜市内を走るJR鶴見線などで
実証試験を始める。営業路線での試験は日本の鉄道では初めて。
三年程度の試験を経て実用化を目指す。同社によると水素による燃料電池車両は
二酸化炭素の削減や将来にわたるエネルギーの多様化が期待できるという。

 試験車両は二両編成。水素と空気中の酸素の化学反応で電力を生み出す
燃料電池と蓄電池を搭載し、屋根の上には高圧水素を蓄えるタンクがついている。
水素タンクは既に実用化されている水素自動車と同じものを使用。最高速度は
時速百キロ、航続距離は一回の水素の充填(じゅうてん)で約百四十キロ。

 試験が行われるのは、鶴見線のほか、JR南武線の尻手−武蔵中原間と
同尻手支線。水素の充填は鶴見線扇町駅、鶴見営業所、南武線中原電車区に
移動式の水素ステーションを設置して行う。

 試験は当初は夜間に行われるが、安全性などが確認されれば昼間にダイヤの
すき間を縫って走ることもあるそうなので、沿線から目にする機会もありそうだ。


東京新聞・宮崎美紀子(2019年6月7日 夕刊)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201906/CK2019060702000272.html