時速97.6キロ…飯能で危険運転を楽しむ ガードレールに衝突、
10代の男女死傷 元少年に懲役4年

 埼玉県飯能市で2016年、制限速度を超える速度で車を運転して事故を起こし、
同乗していた10代の男女が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反
(危険運転致死傷)の罪に問われた元少年(20)=当時(18)=の裁判員裁判の
判決公判が13日、さいたま地裁で開かれ、河村俊哉裁判長は懲役4年
(求刑・懲役5年)を言い渡した。弁護側が主張していた長期捜査の違法性は
認めなかった。

 判決理由で河村裁判長は「非常に危険な運転行為。自分が楽しむために
高速度運転に及んでおり、酌量の余地もない」と指摘。約20カ月に及んだ
捜査については「より早期に進めることもできた」としながらも、多数の関係者への事情聴取の必要性などを挙げ、「職務怠慢による違法な手続き遅延が
あったとは認められない」とした。

 弁護側は長期捜査の結果、被告が未成年のうちに裁判を受けることができず、
不定期刑などの少年法の適用を受ける機会を失ったとして、捜査の違法性を
主張していた。

 判決言い渡し後、河村裁判長は被告に「誠実に遺族や被害者に向き合い、
事件の重さを知ってください」と話した。

 判決によると、被告は16年10月18日午前1時半ごろ、飯能市内の路上で、
時速約97.6キロの高速度で車を運転し、カーブで縁石に乗り上げたまま走行後、
ガードレールに衝突。助手席に乗っていた岩上深久さん=当時(17)=を
死亡させたほか同乗していた男性=当時(17)=にけがを負わせるなどした。


株式会社埼玉新聞社(2019/6/14 08:12)
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