2019年6月22日 12時06分
アメリカのトランプ大統領は、大型の無人偵察機を撃墜したイランに対する報復攻撃を直前に中止した理由について、攻撃に踏み切れば150人が死亡する可能性があったとしたうえで「私は戦争は望んでいない」とも述べ、イランとの戦争は回避したいという考えを強調しました。

イランの精鋭部隊、革命防衛隊がアメリカ軍の大型の無人偵察機を撃墜したことをめぐり、トランプ大統領は21日、ツイッターで、イランに対する報復攻撃を20日夜に予定していたものの、攻撃の10分前に中止を指示したと明らかにしました。

また、アメリカのNBCテレビのインタビューで、トランプ大統領は攻撃の最終的な承認は与えていなかったとしたうえで「何人のイラン人が死ぬか尋ねたところ、軍の高官はおよそ150人だと答えた。私がゴーサインを出せば30分以内に150人が死ぬことになる。それは嫌だった。釣り合いが取れないと思った」と説明しました。

そのうえで「私は戦争は望んでいない。もし戦争になれば、かつて目にしたことのないほどの破壊を目にすることになる」と述べ、イランとの戦争は回避したいという考えを強調しました。

来年秋の大統領選挙での再選を目指すトランプ大統領としては、中東有数の軍事力を誇るイランと戦争になれば好調なアメリカ経済への打撃は避けられず、戦争は避けたいというのが本音だとみられています。

しかし今回、トランプ大統領が一時的とはいえ攻撃を承認するなど、それとは裏腹な対応を取っていることで、イラン情勢はますます展望が見通せない状況となっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190622/k10011964871000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_002