タピオカバブル”いつまで続く? 関連株も高値更新、連日行列も……影を落とす「ゴミ問題」「高カロリー」 (1/2)
 台湾スイーツとして知られるタピオカのブームが過熱気味だ。「タピオカミルクティー」が若い女性に人気で、店舗は全国に広がっている。インスタント製品がネットで高値で転売され、「タピオカ関連株」も高値を更新するなどバブル状態だが、いつまで続くのか。

photo 若い女性を中心に人気が続いている
 東京都渋谷区の台湾ティーカフェ「ゴンチャ原宿表参道店」は、平日昼すぎの時間帯でも行列ができていた。人気メニューはやはり「パール(タピオカ)」をトッピングした「ブラックミルクティー」(Mサイズは税抜き490円)だという。

 仕事の合間に訪れたという女性会社員(24)は「お茶なので甘すぎず、タピオカの腹持ちもいいので小腹が空いた午後に買ったりします」と語る。「生クリームたっぷりのスイーツは抵抗感あるけど、タピオカミルクティーは週1回くらいなら気楽に楽しめる」と同僚の女性(24)も同調する。

 タピオカは、ブラジル原産のキャッサバという植物から抽出したデンプンを玉状に丸めて食用にしたもの。日本ではバブル末期の1990年代にも流行した。

 人気が再燃したのは2017年ごろとみられ、タピオカミルクティーを考案したとされるカフェの「春水堂(チュンスイタン)」は16年から17年にかけて全国に5店舗を展開する。

 前出のゴンチャは2006年に台湾で創業、15年に日本に進出し、19年6月14日現在で35店舗に増加。新たに2店舗のオープンも決まっている。

潤っているのは飲食店だけではない
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 潤っているのは飲食店だけではない。業務用食品を扱う「業務スーパー」を全国に展開する神戸物産は、電子レンジなどで加熱して自宅で簡単にタピオカミルクティーが楽しめる「タピオカドリンク(ミルクティー)」(税抜き298円)やタピオカ単体のインスタント商品「冷凍インスタントタピオカ」(同275円)を販売しているが、ともに今年に入って品薄状態が続き、入手困難だという。同社広報部は「販売数を増やすなど対応も検討しているが、明確な見通しは立っていない」としている。

 神戸物産の株価は昨年末に3245円だったのが、今月18日に一時、5600円まで急騰、年初来高値を更新する人気ぶりだ。

 フリマアプリのメルカリでは、同社のインスタントタピオカ商品が複数出品され、定価の2〜3倍で売られている。

 タピオカミルクティーのスタンドは雨後のタケノコのように増えている。タピオカは原価が安く、利益率が高いとされることも、参入障壁の低さにつながっているようだ。

 春休みや夏休みを中心に行列ができない日はないほどの盛況ぶりだが、影を落とすのがゴミ問題だ。渋谷区内では、タピオカのプラスチックカップのポイ捨てが問題視されており、同区の担当者は「渋谷区では、条例としてポイ捨てを禁止している。タピオカを販売する事業者側にもポイ捨て防止を呼びかける責務があり、実態を知るべく情報収集しているが、一番大切なのは購入者のマナー意識だ」と呼びかけている。

 ここにきて、ネット上を中心に、タピオカミルクティーのカロリーや炭水化物の多さを気にする声も目立つようになっている。

 再燃したタピオカブーム、さすがに満腹か。まだ拡大するのか。