米イランが第2次サイバー戦争へ。そのあまりにも漫画な展開
2019.06.25 14:00
https://www.gizmodo.jp/2019/06/us-carried-out-cyber-attacks-on-iranian.html
author Tom McKay - Gizmodo US [原文] ( satomi )
https://gizmodo.com/report-us-carried-out-cyber-attacks-on-iranian-assets-1835764177

(抜粋)

米軍無人偵察機「RQ-4A グローバルホーク」の撃墜を受け、米軍がイランにサイバー攻撃を開始した模様です。米Yahoo Newsが「2人の元諜報機関職員」の話として最初伝えたもの。

「2人の元諜報機関職員」の話
https://news.yahoo.com/pentagon-secretly-struck-back-against-iranian-cyber-spies-targeting-us-ships-234520824.html?soc_src=hl-viewer&;soc_trk=tw

詳細は不明ですが、攻撃目標は「イラン革命防衛隊(IRGC)とつながりがあり、数年前からホルムズ海峡(イランとアラビア半島の間、西はペルシャ湾、東はインド洋オマーン湾。日量1億7400万バレルが通る世界一の原油の要所)を航行する軍と民間の船舶の動きをデジタルで追跡・攻撃する任務を遂行しているスパイ集団」とのことです。

日量1億7400万バレルが通る世界一の原油の要所
https://www.reuters.com/article/us-saudi-oil-emirates-tanker-factbox/factbox-strait-of-hormuz-the-worlds-most-important-oil-artery-idUSKCN1TE1PS


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米サイバー軍はイラン革命防衛隊に報復攻撃したのか
2019年6月25日(火)15時00分
山田敏弘(国際ジャーナリスト、マサチューセッツ工科大学〔MIT〕元安全保障フェロー)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/06/post-12383.php

(抜粋)

バラク・オバマ前大統領時代は、他国に重大な被害をもたらすサイバー攻撃については大統領による承認が必要だと「大統領政策指令20(PPD20)」に明記された。しかもオバマ時代には、サイバー攻撃は通常の兵器と同じような扱いにするようにもしている。

だがトランプ大統領はこのPPD20の「大統領の承認」という規定を緩め、米軍が他国などへ、これまで以上に迅速に、もっと頻繁に攻撃的なサイバー工作を実施できるようにした。つまり、現場に攻撃の裁量を与えた。そしてこの任務を与えられたのは、2018年4月にサイバー軍の司令官に就任したポール・ナカソネ陸軍中将だ。日系3世であるナカソネは、アメリカが誇る有能なハッキング軍団を擁するNSA(米国家安全保障局)の長官も兼務している。

実は、ナカソネは2009年から米軍がイラン有事の際に実施する予定だったイランへのサイバー攻撃作戦「ニトロ・ゼウス」の計画に深く関わっていた。

米軍はイランに対して、実際の軍事攻撃とサイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド攻撃」を考えていた。そのサイバー攻撃計画とは、例えばイランの防空レーダー網や通信システムの機能を妨害したり、国内の電力網をサイバー攻撃して停電を起こさせたりするというもの。ただ実際には、2015年に米英独仏中ロとイランが核合意に達したことで、計画は中止に。ただ、この計画に関わっていたのが現在のサイバー軍の司令官だと考えれば、イランに対してサイバー攻撃が行われることに違和感はない。