キンギョの全遺伝情報(ゲノム)を解読したと、大阪大と国立遺伝学研究所などが発表した。祖先に当たるフナの仲間で、染色体が倍になる「全ゲノム重複」が1400万年前に起きていたといい、研究成果は27日、米科学誌サイエンス・アドバンシズに掲載される。

 大阪大蛋白質研究所の大森義裕招聘(しょうへい)教授らは、母親の遺伝情報だけを受け継いだワキンのゲノムを解読。その結果、ゲノム重複が1400万年前に起きた後、増えた遺伝子の12%が淘汰(とうた)され、無くなっていたことが分かった。 

 ゲノム重複で増えた遺伝子は徐々に減るが、その過程で新たな機能を獲得するなどして進化につながる。キンギョの遺伝子が失われる速度は8000万年前にゲノム重複が起きたサケと比べ1.7倍速く、急速に遺伝子を失う進化の過程にあることも明らかになった。

 キンギョにはヒトと似た症状を持つ病気があり、大森教授は「ゲノム解読で病気の原因解明などに役立つ可能性が期待される」と話している。

時事通信 6/27(木) 3:08
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