0001ごまカンパチ ★
2019/06/28(金) 21:58:40.65ID:xAH6g1A39中国EC最大手アリババグループの創業者ジャック・マー(馬雲)会長が2018年9月に「1年後の引退」を発表して10カ月。
マー会長が出席する最後の株主総会を7月に控え、香港での上場計画や組織再編など、カリスマが去った後のアリババの輪郭が徐々に現れてきた。
その中で、マー会長の右腕としてアリババの財務を20年にわたって支え続けた“智将”の引退の報が、中国経済界に
マー会長引退と同程度のインパクトを与えている。
■8000万円の年棒を捨て、創業期のアリババに
アリババの張勇(ダニエル・チャン)CEOは6月18日、マー会長が引退を表明して以来最も大きな幹部人事と組織再編を発表した。
組織再編の一つ一つも今後のアリババの方向性を示すヒントとして注目されたが、それ以上に話題になったのは、アリババに2人しかいない
「永久パートナー」の1人である蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)氏が、戦略的投資部門のトップから退くというニュースだった。
マー会長がアリババの「表の顔」なのに対し、人々の目の届かないところで、マー会長と同程度の影響力を企業に与えてきた蔡氏は、
「アリババの2番目の人物」「アリババの福の神」「ジャック・マーの後見人」といった異名を持つ。
英語教師から起業家に転じたマー会長と、イェール大学で学び北欧の投資会社のアジア地区責任者を務めていた蔡氏の出会いは1999年5月。
マー氏は同年3月にアリババを創業し、現在のECサイトの原形であるAlibaba.comの立ち上げに必要な資金調達に奔走しており、
出資を求めて蔡氏に面会した。
蔡氏は面会後、マー会長に連れられて彼のオフィスに行った時のことを、インタビューなどでこう振り返っている。
「布団が無造作に散らばった一室で、20数人の若者が談笑しながら仕事をしていた。非常に混とんとしていたが、私はマー氏のリーダーシップだけでなく、
職場の雰囲気に引きつけられた」
蔡氏の投資会社はアリババへの出資を否決したが、蔡氏は間もなく、70万ドル(約8000万円)の年棒を捨て、月額報酬500元(約7800円)で
アリババにCFOとしてジョインした。
■孫正義氏出資の布石をつくる
蔡氏はアリババの初期メンバーの中で欧米の教育を受けた唯一の社員で、かつ、ただ1人の投資業界出身者だった。
彼は同僚に、「株式」「株主」の概念をレクチャーしながら、アリババを「会社」にしていったという。
蔡氏を得て、アリババの資金調達は一気に軌道に乗った。
ゴールドマン・サックス、フィデリティ、シンガポールの政府系ファンド、そして蔡氏の前職の投資会社が次々に出資し、その勢いが
ソフトバンク創業者の孫正義氏の目にも留まることになった。
ウェブ記事「阿里巴巴CFO人間往事」によると、孫社長は1999年10月31日、マー会長と6、7分話しただけでアリババへの出資を決め、
4000万ドルで株式の49%を取得することを提案した。
蔡氏は前のめりなマー氏に、「49%は多すぎる。グループの成長に不利になる。20%強の株式を渡して2000万ドルを出資してもらおう」と助言したという。
2000年1月、ソフトバンクは他の5社と共同で、アリババに2500万ドルを出資。
この決断が両社の繁栄の礎になったことは、今では多くの人が知るストーリーだ。
■NBAのオーナーに就任
最新の資料によると、蔡氏はアリババ株の2.2%を保有し、ソフトバンクやマー会長に次ぐ4番目の株主だ。
アリババの重要な投資やM&Aの多くを主導した蔡氏は、最近では、アリババが2016年、出前アプリの餓了麼(ele.me)の筆頭株主になった際に
同社の取締役に就任。アリババからの追加出資、完全子会社化、そしてアリババグループでのポジショニング調整に力を発揮した。
そしてアリババでは一貫して黒子の役割を果たしてきた同氏は、この数年はアリババ株を少しずつ売却し、別の分野で“主役”として存在感を高めている。
2018年に米プロバスケットボール協会(NBA)に所属するブルックリン・ネッツの株式の49%をロシアの富豪から取得することで合意し、共同オーナーに就いた。
自身が学生時代にラクロスの選手だったことから、アメリカのラクロスチームも取得した。
アリババで経営の一線から引いた後は、スポーツや教育分野により関与していくと見られており、「教育分野に力を注ぎたい」と発言するマー会長と
ここでも歩調の近さが見られる。