https://www.bbc.com/japanese/48795883

子宮頸がんワクチン、14カ国の調査で効果明らかに 撲滅の可能性も
2019年06月28日

多くの子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンが、各国で効果を上げているとする調査結果が明らかになった。子宮頸がんを撲滅できる希望もみえてきたという。

HPVワクチンの接種は10年ほど前から始まった。国際研究チームがこのほど、計6000万人を対象とした65件の研究を評価したところ、HPVの感染件数と前がん病変の発生件数が共に下がっていた。

これにより、向こう数十年で子宮頸がんの発症件数が大きく下がり、撲滅できる可能性もあるという。

イギリスでは毎年、3200件の子宮頸がんの症例があり、850人が亡くなっている。

中略

「現実世界」での証拠

今回の調査では、イギリスを含む先進14カ国での研究が対象となった。

研究チームはHPVの感染率に加え、尖圭コンジローマおよび前がん病変である子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)の発症件数を調査。ワクチン接種が始まる前と8年後を比べた際に、以下のような結果が出た。

16型と18型のHPV感染件数は、15〜19歳の女性で83%、20〜24歳の女性で66%減少
尖圭コンジローマの発症件数は、15〜19歳の女性で67%、20〜24歳の女性で54%減少
CINの発症件数は、15〜19歳の女性で51%、20〜24歳の女性で31%減少

また、ワクチンを受けていない人への恩恵も明らかになった。15〜19歳の男子の尖圭コンジローマ発症件数は50%近く減ったほか、30歳以上の女性の発症件数も大きく下がった。

より幅広い年齢層がHPVワクチンを接種し、接種率が高い国ほど、減少率は高かった。
(リンク先に続きあり)