石清水八幡宮「鎮守の森」にメガソーラー計画 周辺住民ら動揺

 石清水八幡宮がある京都府八幡市の男山で、大規模太陽光発電施設
(メガソーラー)の建設計画が浮上し、周辺住民に動揺が広がっている。
反対する住民らは、麓の住宅街で土砂災害の危険性が高まるほか、
「鎮守の森」として守られてきた自然環境が損なわれると懸念する。
市も、市内でのメガソーラー開発の規制に向けて検討を始めた。

 関係者によると、昨年3月、東京都内の企業が住民に対し、男山北西部の山林
約5ヘクタールを造成して発電設備を設ける計画を説明したという。
八幡市は同年12月に0.95ヘクタールの伐採届を受理したといい、
現在は作業道が整備されている。

 近隣の住民は、建設予定地の麓が土砂災害警戒区域に指定される急傾斜地で
あるため、樹木の伐採が災害を誘発すると懸念。約1500種の昆虫が生息する
自然環境や、谷崎潤一郎の小説「蘆刈(あしかり)」に描かれた男山の景観に
悪影響を与えると危ぐする声もある。

 一方、八幡市の堀口文昭市長は今年3月、市議会で民間のメガソーラー開発に
ついて「景観や防災面の配慮から必要な規制を検討する」と表明した。
他市町の事例を検討し、本年度中の条例制定を目指す考えを示している。

 反対する市民グループは「男山は私有地が多く、石清水八幡宮だけを残して
一気にはげ山になってしまう恐れもある」と強調。市に対策強化を求める
署名活動を始めている。

 企業側からは3日現在、取材に回答はなかった。


株式会社京都新聞社(2019/7/4 16:52、7/4 18:02 updated)
https://this.kiji.is/519415605808235617?c=39546741839462401

メガソーラー建設が計画される男山。左端の峰に石清水八幡宮がある
(京都府八幡市八幡から)
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