天文科学館がロボットに!? ツイッター動画話題

 日本標準時子午線の上に立つ兵庫県明石市のシンボル、市立天文科学館(同市人丸町)。その標準時を刻む塔時計から光る目が現れて顔になり、高さ54メートルの塔が割れて腕と足に−。「変身、時の守護者シゴセンオー!」。神戸市出身で東京在住のコンピューターグラフィック(CG)デザイナーが制作した、こんな特撮アニメがインターネット上で人気だ。動画は30万回以上再生され、同科学館とのコラボ商品まで登場。「長編アニメにして」などと新たな展開を望む声も上がり始めた。(勝浦美香)

 制作したのは神戸市西区出身の岡本晃さん(39)。東京のCG制作会社でディレクターを務める。天文科学館は小学生の頃、よく訪れた思い出の場所という。

 きっかけは、観光施設がロボットに変身する他府県のPR動画。「明石の天文科学館ならもっと格好よく作れるのに」と創作意欲に火が付いた。

 数年前からイメージ図を描いていたが、昨年、日曜朝のテレビのヒーロー番組でCGを担当し、見せ方や技術を体得。「これはいけるんちゃうか、と思って。遊び感覚で空き時間に一気に作りました」と話す。

 白いボディーに映える展望台のガラス。胸部には「J.S.T.M.」(日本標準時子午線)と「SEIKO TIME」の青い看板。思惑通り、元々の建物のデザインがロボットとマッチした。今年5月、天文科学館のプラネタリウムで映像がお披露目されると、会場の天文ファンから「おぉ!」と感嘆の声が漏れた。

 「シゴセンオー」の初登場は昨夏、岡本さんが自分のツイッターに投稿した30秒程度の動画。壮大な音楽に合わせ、変身したり街を駆け抜けたりするシーンを合成した。続編として明石名物のタイの形をした戦闘機「アカシダイファイター」やタコの怪獣「タコヤカーン」も登場させると、「めっちゃカッコイイ」などのコメントが殺到した。

 当初、制作者のクレジットに「協力 明石市立天文科学館(未許可)」と入れていたが、すぐに天文科学館側の目に留まり“共同制作”に発展。1月に同館の人気ヒーロー「軌道星隊シゴセンジャー」と共演するカレンダーを1500部作製し、4月にクリアファイルも作った。井上毅館長は「シゴセンジャーと一緒に敵と戦う動画も作れたら」と次の展開を模索する。

 「ほんの遊びで作ったものが話題になり、天文科学館とのコラボまで実現してしまった」と喜ぶ岡本さん。「時間とお金をかけられたら、もっとすごいものができる」と話すが、目下、多忙な仕事の合間に作るしかないのが悩みという。

明石市立天文科学館の建物を変形させたロボット「シゴセンオー(岡本晃さん制作、提供)
https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/201907/img/b_12487580.jpg
明石市立天文科学館=明石市人丸町
https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/201907/img/b_12487582.jpg

※その他画像はソースから
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201907/0012487579.shtml
2019/7/5 12:10  神戸新聞NEXT