兵庫県豊岡市内の住宅から現金を盗んだとして、同市内の会社員の男(28)が6月下旬、住居侵入と窃盗の疑いで県警豊岡北署に逮捕された。

 男が狙ったのは元勤務先の50代の女性経営者宅。女性は自宅の財布から現金が相次いで抜き取られたため、防犯カメラを設置したところ、札を口にくわえた男の姿が写っていたことで逮捕につながった。

 逮捕容疑は6月27日未明、女性宅に侵入し、現金1万円を盗んだとしている。男は約1年前まで女性のもとで従業員として勤務。退職後は一度も会っていなかったという。

 女性によると、6月に入って2回、一人暮らしの自宅にあった財布から計約5万円を抜き取られた。女性は当初、「現金をどこかで落とした」と思っていたが、2回目の21日夜に財布の約5万円を確認して就寝。翌朝に財布から3万円がなくなっていたため、「泥棒が入った」と同署に被害届を出した。

 同署が調べたところ、無施錠の勝手口から侵入されたことが判明。同署は女性に施錠するよう注意し、自宅周辺の夜間パトロールを強化した。しかし、女性は「鍵をかけると、犯人は別の場所で盗みをするかもしれない。何としても犯人を捕まえたい」とホームセンターで防犯カメラを購入。24日に勝手口が写るように防犯カメラを設置した。

 以降も警戒されないよう無施錠のまま就寝したところ、男は27日午前3時45分ごろ、慣れた手つきで勝手口のドアから侵入。台所から続く居間のソファで寝ていた女性の気配をうかがいながら、台所のテーブルそばのかばんの財布から現金1万円だけを抜き取り、勝手口から立ち去った。

 防犯カメラも男の出入りする様子を記録。男が勝手口から出た際、盗んだ一万円札を口にくわえた表情まで鮮明に写っていたことから、翌28日のスピード逮捕につながった。

 女性は産経新聞の取材に「まさかこんなに早く犯人が現れると思わなかった。元従業員の犯行にびっくりした。友人からは『むちゃはするな』と怒られた。これからは防犯対策をしっかりし、勝手口も施錠する」と話していた。

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