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香港行政長官「条例改正案は死んだ」 撤回は明言せず
2019年7月9日 12:31

【香港=木原雄士】香港政府トップの林鄭月娥行政長官は9日に記者会見し、中国本土への容疑者移送を可能にする「逃亡犯条例」の改正手続きについて「社会の不安や怒りを引き起こし、完全に失敗した。改正案は死んだ」と述べた。条例改正を進めない考えをより明確に示したものの、民主派団体などが要求する「完全撤回」という言葉は使わなかった。

大規模デモから1カ月となる9日の記者会見では「改正作業を再開する予定はない」と強調した。政府と異なる意見を持つ市民や学生との対話も進めるとした。

一方で「デモ参加者のすべての要求には応えられない」とも語り、若者らが求めるデモを暴動とした政府見解の見直しや逮捕者の釈放は事実上、拒否した。自らの辞任も否定した。

若者らの要求は条例改正以外の選挙制度改革などにも広がっており、抗議活動が早期に収束するかは不透明だ。

条例改正をめぐっては6月9日以来、大規模な反対デモがたびたび起き、一部は立法会(議会)の建物を破壊するなど抗議活動が過激になっている。林鄭氏はデモを受けて一連の経緯を謝罪し、2020年7月に条例案が廃案になる事実を受け入れると表明した。ただ自ら取り下げる撤回は明言せず、市民の反発が続いていた。

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