アメリカの核兵器がヨーロッパなどの5か国に配備されているとして、その具体的な基地を記した文書が一時、NATO=北大西洋条約機構の関連機関のウェブページ上で公開されました。欧米各国は核兵器の配備場所を明らかにしておらず、物議を醸しています。

欧米の主要メディアによりますと、この文書はNATOの関連機関に所属するカナダの議員が執筆した核抑止政策についての論文で、ことし4月、この機関のウェブページ上で公開されました。

それによりますとアメリカはNATO加盟国におよそ150の核兵器を配備し、具体的な配備先としてベルギー、ドイツ、イタリア、オランダ、トルコの5か国の基地を特定しています。

論文は現在もウェブページ上に掲載されていますが、配備先を特定した部分はすでに削除されています。

専門家によりますと欧米各国はアメリカの核兵器の配備場所を明らかにしておらず、NATOは今回の文書についてメディアの取材に「公式文書ではない」と答えています。

しかし欧米の主要紙は「アメリカの核を持っているという最悪の秘密が裏付けられた」「公然の秘密がうっかり暴露されてしまった」などと報じていて、今後、核の安全保障や核兵器の受け入れをめぐる議論を呼ぶ可能性もあり、物議を醸しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190717/k10011995931000.html