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塩尻でイノシシ豚コレラ感染 養豚場10キロ圏内は県内初

 県は21日、塩尻市上西条で死骸で見つかった野生イノシシ1頭の豚コレラ感染を確認し、発見場所から半径10キロ圏内にある市内の養豚場2カ所が監視対象農場になったと発表した。県内で感染イノシシの発見地点から半径10キロ圏内に養豚場が入ったのは初めて。県は22日にもこの2カ所で立ち入り検査をし、経口ワクチンの緊急散布を検討する。

 21日はこの他、木曽郡の木曽町開田高原と同町日義神谷、上松町荻原と同町上条、大桑村長野でも野生イノシシの感染確認が発表された。県内での野生イノシシへの感染確認は計12例に拡大した。

 県園芸畜産課によると、塩尻市上西条で死骸が見つかったのは20日で子どもの雌。県松本家畜保健衛生所(松本市)が21日に遺伝子検査した。半径10キロ圏内にある養豚場2カ所では21日時点で異常は確認されていないという。養豚場の場所など詳しい情報は公表していない。

 この2カ所は今後、県の立ち入り検査を受けるほか、国のプログラムに沿い異常な豚がいないかどうか毎日県に報告する。1カ月分の出荷計画を県に提出し、出荷前日に豚の体温測定や、異常の有無を確認して県に報告することなども求められる。

 また、21日の新たな感染イノシシ確認で、発見地点から10キロ圏内でより厳重な検査が必要になる「調査対象区域」には、松本市、飯田市、岡谷市、駒ケ根市、諏訪郡下諏訪町、上伊那郡箕輪町、飯島町、下伊那郡松川町、東筑摩郡朝日村、木曽郡大桑村の10市町村が新たに加わり、合計22市町村となった。

 同課の小林安男課長は「養豚場への感染の恐れが高まっている」とし、改めて県内養豚場に防疫対策の徹底を呼び掛けているとした。

(7月22日)

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