日本人よりも増加!? 外国人高齢者の老後をどう支えるか
NHK NEWS WEB 2019年7月26日 11時30分

これまでNHKでは、全国各地で外国人の人口が急増する中で、外国人の子どもが増えている現状やその課題を取材してきました。
(詳しくは特設サイト「外国人“依存”ニッポン」で https://www.nhk.or.jp/d-navi/izon/

その中で浮かんだ新たな疑問が。「増えているのは子どもたちだけ?」

そこで統計データを独自に分析すると意外な数字が浮かび上がってきました。
実は今、外国人の高齢者がすべての都道府県で増えているのです。

さらに詳しく分析すると、もともとの人数が違うので単純には比較できませんが、外国人高齢者は日本人よりも高い伸び率で増えていたのです。

なぜ外国人の高齢者が増えているのか、そして各地で何が起きているのでしょうか。(ネットワーク報道部記者 伊賀亮人)
◆全都道府県で急増
疑問をもとに分析したのは、総務省がまとめている住民基本台帳のデータです。
この統計によると、全国に住む外国人のうち65歳以上の高齢者はことし1月時点で約17万1000人で、外国人人口の6%程度にあたります。
これを5年前、2014年1月と比較すると、外国人の高齢者は24%増加しています。

より細かく見てみると、すべての都道府県で増加しています。さらにこのうち43の都道府県では15%以上、さらに21の都・道・県では30%以上と急増しているのです。

◆実は日本人よりも高い増加率
次に高齢化が急速に進んでいる日本人とも比較してみました。
まず、日本人の高齢者は約3501万4000人と全年代の28%を占め、外国人とは比較にならないほど、高齢化が進んでいます。

ただ、これを5年間の増加率にして日本人と外国人とで比較してみるとー。
まず、外国人の24%という増加率は、日本人の10%よりも13ポイント余り上回っていて、高い増加率となっています。

さらに都道府県別に比較してみても、すべての都道府県で外国人のほうが増加率が高くなっているのです。

◇65歳以上の住民の増加率(外国人高齢者が1000人以上増加した自治体)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190726/K10012001261_1907251535_1907251553_01_03.jpg

もちろん、もともとの日本人の人数のほうがかなり多いので単純に比較できるものではありませんが、外国人高齢者が各地で着実に増えていることが見てとれます。

◆なぜ増えているのか?
それでは、なぜ今、外国人高齢者が増加しているのでしょうか。

実際に外国人高齢者が増加している場所があると聞いて現地に向かいました。
訪ねたのは、愛知県豊田市にある団地、保見ヶ丘です。
愛知県はこの5年間で65歳以上の外国人が約2400人増えていて都道府県別では4位の増加数です。

保見ヶ丘で迎えてくれたのは、74歳の藤田パウロさん。パウロさんは日系二世のブラジル人で1990年に来日しました。
「40すぎで日本に来ましたが、自動車部品メーカーに雇用されて最初は2年契約のはずだった。それが何を勘違いしたかもう29年目になった(笑)」(パウロさん)

保見ヶ丘の人口は約7200人。そのうち実に55%にあたる4000人余りが外国人です。住民の多くは自動車部品メーカーで働く人たちやその家族。

そのうち、1980年代から1990年代初期のバブル期の人手不足の中で来日したパウロさんのような日系の住民が、約30年たった今、高齢化しているというのです。
「当時は皆さん帰るつもりだったけどね。もうブラジルよりこっちのほうが慣れちゃったし。知っている人の中には日本で亡くなった人もだいぶいるよ」(パウロさん)

◆外国人向けの介護サービスは?
10年余り前に定年退職したパウロさんが、今働くのは、高齢者向けの介護サービスや障害を持つ子どもへの支援サービスを提供する事業所「ケアセンターほみ」です。

〜続きはソースで〜
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190726/k10012001261000.html