https://www.saga-s.co.jp/articles/-/408591
今、吉野ケ里歴史公園内の「吉野ケ里遺跡展示室」では「むかしむかしの文房具」という企画展(9月20日まで)が行われています。

最近、北部九州を中心として、弥生時代の「石硯いしすずり」の発見例が増えていて、吉野ケ里遺跡からも石硯と研石と思われる
2点の石製品が発見されました。
企画展では、その石硯や研石を中心としての展示が行われています。

 硯は文字を書くために必要な物で、硯があれば当然、文字の存在も考えなくてはいけません。
しかし、常識では弥生時代にはまだ文字は使われていなかったはずです。
そして、文字を書くのは筆です。ならば、筆もあったはず。というのは単純でしょうか。

 韓国では紀元前1世紀の遺跡から筆が発見されています。
日本には弥生時代後期に漢から「漢委奴国王」の印が送られ、その後、魏からは卑弥呼に「親魏倭王」の印が送られました。
印は文字を使っている者に送られたのではないでしょうか。

 企画展では、筆を使いベンガラで模様を描いたと思われる甕(かめ)棺も展示されています。
なかなか難しいことだとは思いますが、今度は筆が出ることを期待したいです。