東京地検は7日、東京都迷惑防止条例違反(痴漢)容疑で警視庁に逮捕された後、勾留が認められずに釈放された会社員の男(43)を同条例違反容疑で改めて逮捕した。男は釈放後、任意での事情聴取のための出頭を拒み続けていた。捜査機関が出頭拒否を理由に同一の容疑で再逮捕するのは異例だ。

 地検によると、男は4月2日、JR山手線の車内で女性の体を触った容疑で現行犯逮捕。男は否認し、地検が勾留を請求したが、裁判所は却下して2日後に釈放された。男は「任意の捜査には応じる」と誓約したが、地検の複数回の呼び出しに応じなかったという。

 このため、地検は7日に男を逮捕し、同条例違反で東京地裁に起訴。男は起訴後に勾留された。地検は「捜査や公判のために身柄拘束をする必要があった」としている。一方、男の弁護人の松永成高弁護士は「任意捜査で出頭を拒否することは容疑者の権利として認められている。検察の対応は問題だ」と批判した。

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