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熱海の空き家解消に一役 建築家ら、協議会設立 (2019/8/12 07:27)

 熱海市在住の建築家ら有志がこのほど、市内に多い空き家や空き地問題の解決を目指す一般社団法人「空家・空地再生と活用推進協議会」を設立し、活動を始めた。中心メンバー4人は「景観を良くし、手頃で住みたくなる住宅を提供する仕組みを構築したい」と意気込む。

 協議会は市内にある空き家や空き地の所有者、投資家ら向けに改修工事などを行った場合のイメージや賃貸物件としての再生プランなどを提示するのが事業の柱。不動産業者向けのセミナーなども実施していくという。

 モデル事例として、高台にある築60年の民家をモダンな内外装に改修するプロジェクトに協力。別の築30年ほどの一軒家を若い世代の居住を想定した賃貸アパートに改修する計画も動き始めた。同協議会の守田昌利代表理事(73)は「熱海への移住、定住を進めるには、魅力的で具体的な建物があるかが鍵を握る」と指摘する。

 国の住宅・土地統計調査(2013年)によると、熱海市の住宅総数約3万8千戸のうち、自宅や別荘、賃貸・売却向けといった使用目的のない空き家は約1割の3780戸に上る。ただ、相続などの関係で長年放置された物件は傷みが激しく、買い手が付きづらい。同協議会が所有者、民間事業者、行政機関などと連携し、具体的な再生策を提案することで、物件の利活用を後押しする。

 首都圏へのアクセスの良さ、豊富な温泉などを理由に熱海への移住に関心を持つ人は多い。守田代表理事は「時間はかかるが、住みやすい熱海のまちづくりに貢献したい」と話している。