【AFP=時事】香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官が13日、記者会見を行ったところ、メディアの集中砲火にさらされる一幕があった。

 記者会見では、同長官が用意していた声明を読み上げてしまうや否や、広東語と英語の両方で一斉に質問攻めが始まった。

 また香港公共放送RTHKの記者は「市民の恐怖心を払拭(ふっしょく)するため、政治的責任はいつ取るつもりですか。いつになれば進んで辞任するのですか。いつになれば警察を制止するのですか」と詰め寄った。

 香港では先週末に暴力沙汰が相次ぎ、数十人がけがをして重傷者も出た。こうした緊張の高まりが、好戦的な雰囲気となった記者会見に表れた格好だ。

「一国二制度」の原則の下、香港ではメディアにも中国本土にはない自由が認められている。独立派から親中派までの各メディアが、幅広い政治的傾向を代弁している。

 記者会見の冒頭、「皆さんに改めてお願いする。意見の相違は脇に置き、落ち着いてほしい」と冷静さを呼び掛けた林鄭長官が、一時は涙を見せるかと思われる場面もあった。

 絶え間なく痛烈な質問がぶつけられる中、長官は突如演壇を降りて立ち去った。ある記者は「あなたに良心はあるのか」と叫び、また別の記者はこう声を荒らげた。「林鄭長官、最近では多くの市民が思っている、長官はいつ死ぬつもりですかと」

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