中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)は14日、動画配信サービス「テンセント・ビデオ(騰訊視頻)」が中国東部を直撃した台風レキマー(台風9号)によって山東省の全員が死亡したと誤報したことについて、謝罪した。2016年の国勢調査によると、山東省の人口は約9940万人。

テンセント・ビデオは12日、登録ユーザーに送ったプッシュ通知で、山東省の緊急対応当局の話として、「台風レキマーの影響で山東省の全員が死亡。7人が行方不明」と誤報した。後に同社は、同省の死者数を5人に訂正した。

国営メディアによると、中国全体での台風による死者数は14日の時点で56人に達した。

テンセントは後に、中国のソーシャルメディア「微博」に謝罪を掲載し、「編集ミス」によるものだと説明した。誤報による被害があったなら謝罪すると述べ、作業の流れを点検すると約束した。

今年5月の財務資料によると、2019年初めの時点でテンセント・ビデオの登録者数は8900万人。

台風レキマーは10日未明に中国東部に上陸し、浙江省、山東省、安徽省に被害をもたらした。

中国政府の緊急管理部によると、約200万人が避難を余儀なくされ、航空機は1000便以上が欠航した。

国営メディアによると、山東省での降水量は1952年以来、最高を記録した。

微博ではテンセントの誤報のスクリーンショットが拡散され、大勢が批判した。

「編集基準はどうなってる。大きな自然災害なのに、どうしてこんなことを間違えるんだ」という書き込みや、「テンセント、頭がおかしいのか。こんなことを通知したら大変なことになる」という投稿が続いた。

一方で、「山東省に住んでいる者です。テンセントは本当に素晴らしい。自分が死んだなんて知らなかった」と、冗談にする人もいた。

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