2019/8/19 05:30
https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/201908/0012619755.shtml

JR加古川駅(兵庫県加古川市)南側の「ベルデモール商店街」に40匹以上の金魚が泳いでいた池がある。
子どもたちがのぞき込むなど憩いの場所として親しまれてきたが、今月上旬、ほとんどが死滅してしまった。
原因ははっきりせず、世話を続けてきた商店主の男性(78)は落胆するが、「復活させたい」との願いに応えて金魚を持ってきてくれる人もおり、
少しずつ以前の光景が戻ってきている。

池は横約3メートル、縦約2メートル。
商店街が改装された1989年に設置され、池の前で履物店を営む男性が金魚の飼育を始めた。
水草を植えてニシキゴイも放し、餌やりも欠かさなかった。
多い時は70匹以上が泳ぎ回り、買い物客や子どもたちがのぞきこんで見守る、そんな地域の憩いの場だった。

異変は今月初旬。
男性が午前9時ごろに店を開けようとして、2匹を残してほかの魚が浮かんでいるのに気付いた。
水は地下水を使い、循環させているため水温は低めに保たれているという。
男性は「去年の夏も無事だった。暑さが原因とは考えられない。大事に育ててきたから本当にショック」と肩を落とした。
ただ、池の中や周りにはタバコの吸い殻が散乱していた。
原因かどうかはわからないが、男性は「タバコ・クスリなど入れたのはどこのだれだ」と書いた張り紙を池のオブジェに貼り付けた。
すると池周辺のごみは激減。
13日には協力に感謝する内容に書き換えた。

騒動後、自宅から金魚やニシキゴイを持って来てくれる人もおり、今は成魚十数匹が泳いでいる。
長男(2)と池の様子を見に来た女性(29)=同市=は「子どもも楽しみにしているから、また魚がたくさん泳ぐ池に戻ってほしい」。
男性はさらに魚を増やすことを考えており、水草も植え替えるという。
「魚を持ってきてくれる人には感謝の気持ちでいっぱい。大切に育てていきたい」と語った。

少しずつ金魚が戻ってきた池。稚魚も持ち寄られた
https://i.kobe-np.co.jp/news/touban/201908/img/b_12619756.jpg

魚を飼育してきた男性が作った張り紙
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