京アニ犠牲25人、公表めぐり警察庁と京都府警が見解相違
2019年08月19日 18時20分配信
捜査本部の設置時に会見した京都府警の捜査幹部ら。事件から1カ月がたつ今も犠牲者全員の氏名は発表されていない(7月19日、京都府警伏見署)
 「京都アニメーション」(京アニ)第1スタジオ放火殺人事件の犠牲者35人のうち、京都府警捜査本部が氏名を明らかにしたのは10人にとどまっている。実名発表に対して遺族の了承が得られていない上、公表内容やタイミングを巡って警察庁との間で意見が折り合わず、残る25人の公表時期は依然、めどが立っていない。

 府警は事件発生から半月後の今月2日、22〜61歳の男女10人の犠牲者の氏名を公表した。公表が一部にとどまったのは、府警が「氏名公表に関して遺族の了承が得られ、葬儀を終えた犠牲者を先行的に公表する」との異例の判断をしたためだ。

 2005年に閣議決定された犯罪被害者等基本計画では、被害者の実名発表について「プライバシーの保護、発表することの公益性等の事情を総合的に勘案しつつ、個別具体的な案件ごとに適切な発表内容となるよう配慮していく」と規定。その決定権は事実上、全国の警察に委ねられ、府警は、事件事故の犠牲者名については公益性の観点から、遺体の身元判明後に速やかに公表してきた。

 2016年に相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件のように、プライバシー保護の必要性が高いとして犠牲者が匿名発表されるケースは過去にあった。しかし、京アニ事件の犠牲者は映画やテレビ作品の終幕に製作関係者として氏名が紹介され、著名なクリエーターも含まれる。ある捜査幹部は「京アニ事件の犠牲者を匿名発表にする理由は見当たらない」と言う。

 氏名が公表されていない犠牲者の遺族の中には、悲しみに打ちひしがれながらも、報道機関の取材に応じ、肉親が生きた証しを自らの言葉で語ろうとする人もいる。多くのファンらが安否を気遣う中、インターネット上には真偽不明の安否情報も流れている。

 京アニ側は府警に対し「実名発表で報道されると、被害者やご遺族のプライバシーが侵害され、ご遺族が甚大な被害を受ける可能性がある」として、匿名発表を強く要請した。その後、報道各社に「(実名発表を)永久に控えてもらうことを、お願いしているのではない」との意向を示している。

 捜査関係者によると、府警は「遺族に理解を求めた上、たとえ了承が得られなくても、従来通りに公表する」との立場を堅持している。だが、警察庁は「公表には遺族の了承が必要」との考えを固持。10人の犠牲者の氏名公表から数日後、府警は残る25人の氏名を盆前にも一括公表する方針を立てたが、警察庁の了解が得られず、結論は先送りされたという。

 捜査関係者は「箸の上げ下げまで注文してくるのが警察庁。氏名の公表は府警が自ら判断すべきことなのに、完全に主導権を握られてしまっている」と打ち明ける。警察庁は「被害者の氏名の発表については、京都府警が遺族の意向などを踏まえ、適切に判断するべきものと考えている」としている。
https://s.kyoto-np.jp/local/article/20190819000074

★1 :2019/08/21(水) 16:17:18.78

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