遺伝子治療薬、9月から初の保険適用へ 厚労省が方針
朝日新聞デジタル 2019年8月27日6時0分
https://www.asahi.com/articles/ASM8V53T2M8VUTFK00Z.html

 厚生労働省は、国内初の遺伝子治療薬「コラテジェン」を9月から公的医療保険の適用対象とする方針を固めた。
遺伝子治療薬への保険適用は初めてで、投与1回あたりの公定価格は60万円とする。
28日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で了承される見通し。

 コラテジェンは、手足の血管が詰まって血流が乏しくなり潰瘍(かいよう)ができる「慢性動脈閉塞(へいそく)症」の患者らが対象で、筋肉に注射して投与する。
森下竜一・大阪大教授らが開発し、アンジェス(本社・大阪)が製造する。
同社の予測では、患者数は年1千人弱、ピーク時の販売額は年12億円。
今年3月に厚労省が製造販売を承認していた。

 遺伝子治療をめぐっては、白血病患者らが対象の新たな治療法の製剤「キムリア」への保険適用が5月に決まり、
過去最高の約3349万円となった。
キムリアは、患者の細胞を取り出して遺伝子を加えて患者に戻すため、医薬品医療機器法上は「ヒト細胞加工製品」とされる。
体に遺伝子を直接投与する「遺伝子治療用製品」としては、コラテジェンが最初となる。