愛知・東海市、大学生まで入院費無料へ 全国初、若者定住狙う
毎日新聞 2019年8月30日 12時04分(最終更新 8月30日 12時04分)
https://mainichi.jp/articles/20190830/k00/00m/040/091000c

 愛知県東海市は29日、市内在住の大学生までの入院費を2020年度から無料にすると発表した。
若者の定住を促し、地域経済を活性化させる狙い。
市によると、入院費の助成を大学生まで拡大するのは、市レベルでは全国で初めて。

 同市では現在、中学生までの通院・入院費の自己負担分を全額助成している。
来春からは入院費について助成対象を拡大し、高校生や就労している18歳までの市民と、大学や専門学校などに在籍する学生も含める。
学生の対象期間は24歳となる年度末まで。また、留学生も住民登録をして国民健康保険に加入すれば助成の対象となるという。
初年度の追加予算は約2500万円と見込む。

 市内には星城大と日本福祉大東海キャンパスがあり、市内外からも多数の学生が通学している。
市は学生らの安心した生活の確保や保護者の経済的負担の軽減を図ることで、若者の定住を促したい考えだ。

 厚生労働省の調査によると、昨年4月現在、入院費について学生まで助成対象にしているのは北海道南富良野町のみ(22歳となる年度末まで)。
市は9月議会定例会に関連議案を提出する。記者会見した鈴木淳雄市長は
「助成を機に学生に住民登録してもらえれば、人口も増え、地域経済も活性化するのでは」と期待を込めた。

 近隣自治体では南知多町が17年度から高校生(18歳到達の年度末)までの入院・通院費を助成。
半田市でも20年度から、医療費助成を高校生まで拡大する計画がある。

◇ 記者会見した東海市の鈴木淳雄市長=市役所で2019年8月29日午後2時0分、町田結子撮影
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