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2019/09/01(日) 18:45:48.73ID:FT3K1CJD9https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/09/01/20190901oog00m010024000p/9.jpg
弥生時代初期の稲作の実態の解明につなげようと、県立橿原考古学研究所(橿原市)などの研究グループが、日本に伝来した可能性がある古い形質を持つ稲を中心に選んで明日香村の県有地に植え、栽培実験をしている。実りが早い早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)の品種によって生育の程度が明らかに異なっており、研究グループは31日、稲の生育の様子を報道陣に公開した。【藤原弘】
研究グループは、橿考研の本村充保・調査課第2係長や岡田憲一・指導研究員、橿考研特別指導研究員の稲村達也・京都大名誉教授(栽培システム学)、川島茂人・京都大教授(農業気象)ら。約1600平方メートルで早生を5品種、中生を3品種、晩生を2品種の計10品種を栽培。31日時点では、早生は既に穂が伸び、中生は穂が出ているのに対し、晩生の穂はまだ出ていない。稲作は九州に入り、東に伝わったとされ、稲村名誉教授は「弥生人は稲の早生や中生の特性を知っていた可能性がある。稲作が東北まで伝わるには、早生、中生、晩生を別々に管理する必要があったのではないか」と指摘する。
栽培実験では2017年度に30品種を植え付けたが、中には穂が出ないものもあり、昨年度と今年度は古い形質を持つ品種を七つに絞り栽培。今年度は、ヒノヒカリなど現代の品種も三つ栽培している。現地では、風向、風速、気温、湿度、降水量、日射量の気象要素を観測。川島教授は「気象条件と収量の関係を調べ、弥生時代の収量を知りたい。現代の米の収量と遜色(そんしょく)がない可能性がある」と話している。
日本学術振興会の科学研究費補助金を受けて行われている研究の一環で、考古学や農学、気象学などの研究者が連携。今年12月には収穫した米を一般の人たちに味わってもらう催しを企画する。研究代表の本村・橿考研調査課第2係長は「弥生時代初期の水田が後の条里制水田へどう変遷していくのか、調査、研究に取り組みたい」と話している。
毎日新聞 2019年9月1日
https://mainichi.jp/articles/20190901/ddl/k29/040/282000c?inb=ra