https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190905/k10012065361000.html

イギリス EU離脱期限延期でジョンソン首相の次なる手は…
2019年9月5日 18時49分英 EU離脱

イギリス議会下院では、EU=ヨーロッパ連合からの離脱期限の延期を求める法案が可決され、法案に対抗する形でジョンソン首相が提出した総選挙を求める動議は否決されました。与党・保守党から20人以上が造反したことでジョンソン首相が率いる与党勢力は議会下院で過半数を失い、厳しい状況に立たされています。

ジョンソン首相はEUからの離脱を来月末の期限どおりに実現するためにも来月15日に総選挙を実施したい考えで、イギリスのメディアはジョンソン首相が今後取り得るいくつかのシナリオを挙げています。

総選挙の動議を再提出

このうちの1つが総選挙を求める動議を再び提出することです。

最大野党の労働党のコービン党首は離脱の延期を求める法案が成立すれば総選挙に応じる姿勢を示しています。このため、法案の成立に協力する代わりに動議への支持を求めるというものです。

ただ法案が成立すれば期限どおりの離脱は極めて難しくなるため、ジョンソン首相にとって容易な決断ではありません。

総選挙の法案の提出

また動議ではなく、来月15日に総選挙を実施するという法案を提出すれば議会下院の3分の2ではなく、過半数の支持で総選挙を実現できるという指摘もあります。

ただ、この場合、保守党など与党勢力が議会の過半数を割り込んでいる中で、どのように支持を広げ可決に持ち込むのかなど、大きな課題があります。

不信任案を提出

野党側が内閣不信任案を提出した場合も総選挙の実施につながる可能性があります。不信任案が可決されれば、14日以内に今の政権に変わる新しい政権を議会で承認することになり、承認されない場合は総選挙が実施されることになります。

しかし、保守党など与党勢力が過半数を割り込んでいる現状では、議会の超党派による新しい政権が発足する可能性もあります。

ジョンソン首相が辞任

ジョンソン首相が辞任して総選挙に持ち込む選択肢もあります。

しかし、イギリスのテレビ局「スカイニュース」は首相官邸の関係者の話として、ジョンソン首相が辞任を選ぶことはないと伝えています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190905/K10012065361_1909051846_1909051849_01_02.jpg