https://www.asahi.com/articles/ASM9C6RD0M9CUHBI05X.html

仏教の信仰があついタイで、ブッダをウルトラマン風に描いた学生の絵画に抗議が殺到し、展示が中止される騒動があった。
表現の自由を求める若者らが中止に反発し、作品はネットオークションで高値がつくなど、注目が集まっている。

東北部ナコンラチャシマ県の学生が描いた絵画は、今月初めに地元商業施設で展示された。法衣代わりにウルトラマンスーツを
まとったブッダが座禅を組んだりポーズを決めたりする作風が話題となり、ネットで拡散。保守政治家などから「罰当たり」との
批判が相次ぎ、取り外された。

火消しを図りたい知事や大学幹部は学生を連れて高僧のもとを訪ね、謝罪。地元紙バンコク・ポストによると、学生は
「悪者から人類を守るウルトラマンをブッダに重ねた絵です」「悪意はありません」と涙ながらにわびたという。
知事は県内の教育機関に対して展示前の作品選びを厳しくするよう指示を出した。

一方、展示中止は若者の発想の芽を摘むと芸術家らが反発。同県のパコーン・ポンチワンクンさん(38)は学生から作品を譲り受け、
11日からネットオークションを開始した。入札額は跳ね上がり、12日朝に60万バーツ(約210万円)で落札された。
パコーンさんは売り上げを地元病院に寄付する予定で「若い発想が公共の利益につながることを示したい」と話した。


タイで物議を醸したウルトラマン風のブッダの絵画(所有者提供)
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20190912000672_comm.jpg