https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190912/k10012078831000.html

「3000億年で誤差1秒」原子核時計 基礎技術開発に成功
2019年9月12日 16時52分

「3000億年で1秒の誤差」とされる「原子核時計」。実用化に向けた大きな1歩です。岡山大学などの研究グループは「原子核時計」の実用化に必要とされる基礎技術の開発に成功したと発表しました。

「原子核時計」は、原子核の振動を利用して時間をはかるもので、「3億年で1秒の誤差」とされる「原子時計」の1000倍の精度があると考えられています。

実用化に向けては、原子核を特定のエネルギー状態にする技術を開発することが課題になっていましたが、岡山大学の吉村浩司教授らの研究グループが、これに成功したと、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」のオンライン版で発表しました。

研究グループの技術は、トリウム原子の同位体にエックス線を特定の強さで当てることで、原子核を特定のエネルギー状態にするというもので、この方法で成功したのは世界で初めてだということです。

「原子核時計」の実用化に向けた大きな1歩で、実用化されれば、時計の性能に左右されるGPSの精度が飛躍的に向上するなどの効果が期待されます。

吉村教授は「世界に先んじた研究成果でうれしい。実用化に向けてさらに研究を進めていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190912/K10012078831_1909121712_1909121716_01_02.jpg