粘膜で抗体 肥満予防も可能か

*ソース元にニュース画像あり*

http://www3.nhk.or.jp/lnews/osaka/20190918/2000020198.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

口や腸内の粘膜で、細菌やウイルスを攻撃する抗体を大量につくり、
病原体が体内に侵入するのを防ぐ技術の開発に大阪市立大学などの研究グループが成功しました。
マウスを使った実験では、肥満に関わる腸内細菌を病原体に見立てて体の外に排出することで
体重の増加を抑えることができ、肥満を予防するワクチンの開発にもつながると、注目されています。

研究を行ったのは、大阪市立大学大学院医学研究科の植松智教授らのグループです。
研究グループは、口や鼻、腸内などの粘膜で、細菌やウイルスなどの病原体を攻撃する抗体を作る
免疫細胞に注目し、マウスを使った実験で、免疫の力を強める特殊な物質を注射することで、
この細胞を活性化させ、粘膜で働く抗体を大量に作り出すことに成功しました。

この技術を使えば病原体が粘膜を通じて体内に侵入するのを防ぎ、
さまざまな病気の発症を抑えることができると考えられています。
研究グループは、この技術を腸内細菌に応用し、免疫細胞を活性化させたマウスに
肥満を促進させる性質のあるヒトの腸内細菌を移植しました。
すると、粘膜で作られた抗体の働きで腸内細菌が体の外に排出され、高カロリーのエサを与えても、
体重の増加が通常のマウスと比べて10%余り少なかったということです。

腸内細菌は種類によって糖尿病やがんなど、さまざまな病気に関わっているとみられていて、
肥満を予防するワクチンなど新たな医薬品の開発につながると注目されています。

植松教授は「まったく新しいワクチンの技術を確立できた。
さまざまな腸内細菌に対応するワクチンを開発していきたい」と話しています。

09/18 12:19