経済危機が続く南米のアルゼンチンで、避妊具の売り上げが減少している。同国で販売されるコンドームおよびその材料はほとんどを輸入に頼っており、通貨安から価格が高騰したためだ。

首都ブエノスアイレスの薬剤師は「客は店に来て値段を聞いては『買えない、そんなお金は払いたくない』と言う。
皆、現在の経済状況を考慮に入れている。特に避妊具や妊娠予防薬の分野では、売り上げが落ち込んでいる」と述べた。

業界関係者は、今年に入って国内のコンドームの販売は前年に比べて8%減ったと推計。とりわけ、経済危機が深刻化した直近の数カ月は25%も減少したという。また薬剤師によると、経口避妊薬の販売も1年で6%、直近では20%落ち込んだ。

アルゼンチンで販売されるコンドームとその材料の多くは輸入に頼っており、通貨安が販売価格を直撃。メーカーによると、年初に比べておよそ36%も値上がりしたという。

コンドームメーカーの社長は「今年は販売量にして7―8%という記録的な需要減少を目の当たりにしている。その理由は2つだ。1つは経済的要因。もう1つは、妊娠を防ぐキャンペーンが少ないなど、若者の間でコンドームが使われていないことが挙げられる」と説明した。

公衆衛生の専門家は、こうした事態が性感染症の感染拡大を招く恐れがあると指摘。同国の非営利団体によると、政府は公立病院でコンドームを無料配布しているが、それを知っている市民は少ないという。

アルゼンチン保健省は、現時点でロイターのコメント要請に応じていない。

https://news.livedoor.com/article/detail/17111991/