1970年代〜2000年代にかけ、映像媒体の主流だったビデオテープ規格「VHS」。再生機器の生産終了などに伴い、VHSで記録された映像資料の視聴や貸出しを終了する公立図書館が出てきており、郷土資料などの閲覧が困難になるのではないかと心配の声があがっている。

大阪市立図書館は2020年度末で館内視聴を終了し、その後順次、貸出しも終了することを発表。ツイッターで注目を集めた。取材に応じた同館によると、郷土資料のVHSに関しては書庫で保存する予定ではあるものの、DVD・BDなどへのダビング(媒体変換)については「具体的な見通しが立っていない」という。


「現在、視聴ブースの再生機器は、故障しても入手できません」
「図書館内での視聴は令和2(2020)年3月末で終了します。その後順次、貸出を終了します」。大阪市立図書館内に掲示されたこのお知らせを、あるツイッターユーザーが2019年9月11日に投稿。「VHSしかない郷土資料もあるというのに...」と懸念を示しており、1800回以上リツイートされるなど関心が集まった。

お知らせは8月1日付で掲示しており、ウェブサイト上でも同日発表。「ビデオテープ(VHS)の再生機器が平成28(2016)年に生産終了となりました。現在、視聴ブースの再生機器は、故障しても入手できません」と、終了の背景を記載している。

デジタルデータの記録媒体が普及したことでVHSの市場規模は縮小を続け、16年7月末には国内で唯一(当時)VHS再生デッキを製造していた船井電機が生産終了を発表。一時代の終わりを印象づけた。

郷土資料や地域情報の収集・保管に重要な役割を果たす公共図書館。だが、特に00年以前の映像はVHSで記録されているものも少なくない。大阪市立図書館の蔵書検索で調べると、たとえば95年に発生した阪神・淡路大震災に関連する映像がVHSで複数所蔵されているのが分かる。

「再生機器を1台は死守したい」
大阪市立中央図書館の担当者は9月17日、J-CASTニュースの取材に「VHSデッキは修理を重ね、できるだけ長く使えるように努めていますが、新しい機器が手に入らないため限界が来ています。古くなって使えなくなった再生デッキもすでにあります。そのため、視聴・貸出の終了について時期を決めて早めにお知らせすることになりました」と話す。

以下ソース先で

■デジタル媒体への複製はできない?

2019/9/21 11:00
https://www.j-cast.com/2019/09/21367802.html?p=all
https://www.j-cast.com/assets_c/2019/09/news_20190917205755-thumb-autox380-165231.jpg