ニューヨークの国連本部で開かれた気候行動サミットに合わせて23日、石炭を使った発電を続ける日本に対する抗議デモが開かれた。気候変動についての危機感が世界で広く共有される中、日本が対応の遅れを指摘された形となった。

大量の二酸化炭素を排出する石炭火力発電所をめぐっては、国連のグテーレス事務総長が2020年以降の新規建設をやめるよう、くり返し加盟国に要請。欧州では将来的な稼働ゼロを打ち出す国が増えている。

これに対し、日本では12年以降で50もの石炭火力発電所の新設や増設が計画されている。また、今年4月には政府が出資する国際協力銀行(JBIC)が、ベトナムの石炭火力発電事業に対する最大約12億ドルの融資を発表した。

抗議デモの参加者は環境NPO「オイル・チェンジ・インターナショナル」の職員ら約20人。ニューヨークの路上で、石炭バケツの上に立つ笑顔の安倍晋三首相を模した高さ4メートルの風船を掲げ、「石炭はいらない」と英語で声を張り上げた。

同団体の首席アナリスト、アレックス・デュカス氏は「いまだに石炭火力発電所にこだわっているのは先進国で日本だけだ」と指摘。小泉進次郎環境相が「気候変動に取り組むことはセクシーだ」と述べたことに触れ、「石炭ほどセクシーじゃないものはないと言いたい」と語った。(ニューヨーク=藤原学思)

2019年9月24日10時10分 朝日新聞デジタル
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