9月初頭、月面の滑らかな平野に降り立つはずのインドの着陸船だったが、着陸寸前の通信トラブルによって現在は行方不明となっている。NASAによって撮影された月面の画像のどこかにあるはずなのだが….。
インド宇宙研究機関(ISRO)の月探査ミッション「チャンドラヤーン2号」において、東部夏時間9月7日、月面着陸船「ヴィクラム(Vikram)」は月面のシンペリウスNとマンジヌスCクレーターの間にある平野に着陸する予定だった。

インドにとって初の月面着陸となるはずだったが、着陸プロセスの最後の数分という時に通信不能に陥ってしまった。また、最後に送られた通信データは、ヴィクラムが本来の着陸コースを外れたことを示唆するものだった。
NASAは、9月17日に月周回無人衛星「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」で、月面のヴィクラムが着陸したと思われる場所の画像を撮影した。

追跡データから、この画像のどこかにヴィクラムがあるはずであるとNASAは考えているが、今回の画像は月の夕暮れの時間での撮影となってしまっているため陰影が鮮明ではなく、探査船を特定するのは困難であるようだ。
10月に再びLROが同じ場所を通過する際は太陽による陰影がはっきりとわかる時間帯であるため、ヴィクラムを発見できる可能性は高いとしている。あるはずの場所を写しているのに確認できないというのは、なかなか歯痒い気持ちにさせてくれる。

https://ap1-prod-images.disco-api.com/2019/10/2/22faccc6-ab8f-440d-84ec-648a749ae652.jpg

https://www.dplay.jp/article/astronomy/0000000042?sf110004536=1