YAHOO JAPANニュース 2019/10/04 07:15
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191004-00000846-zeiricom-bus_all
(以下の記事の全文はソース元にてご確認ください)

10月1日の消費増税に伴い、軽減税率制度が導入されました。この中で、コンビニのイートインコーナーがテレビやインターネット上でクローズアップされています。本来なら外食と同じ10%の税率が適用されなければならないところ、自己申告せずに、8%の税率で飲食する人が相次いでいるためです。「ザル運用」という指摘もあり、「イートイン脱税」という言葉まで生まれました。

ネットでは以前から、電車内などでズレた正義感を振りかざす人のことが「正義マン」と呼ばれていますが、今回の軽減税率をめぐる騒動でも、「正義マン」がイートインコーナーの利用でズルをしている人を見掛けて、店員に伝えるのではないかと話題になりました。

大手コンビニ3社に、ザル運用になっていることについてどう受け止めているのか、「正義マン」のような人が出てきた場合にどう対応するのか、聞きました。(ライター・国分瑠衣子)

●ファミマ「国に方針を示してもらうしかない」

セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップの大手4社は、原則として客の自己申告があった時のみ10%の税率を適用します。各社は、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が作成したポスターをレジ横や、イートインコーナーに掲示して周知しています。しかし、軽減税率導入の前から「申告しないで店内で飲食をする人が出て、『ザル運用』になってしまうのでは」との指摘がありました。

国内約16,500店舗のうち、約8,000店舗にイートインコーナーがあるファミリーマートは、「自己申告せずに、店内で食べている人がいることは把握しています」と、税率8%で飲食をする人がいる事実を認めます。ただ「今後も自己申告に委ねるという方針は変わりません。もし運用を変えるとなると、国に方針を示してもらうしかない」と説明します。

業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンの担当者は「軽減税率制度がスタートしてまだ3日なので、今の段階ではコメントのしようがない」と話します。ローソンも同様の対応でした。

では、自己申告をせずに、飲食している人を見掛けた第三者が、従業員に報告したケースにはどう対応するのでしょうか。ファミリーマートは「報告を受けても証拠を把握することが難しく、本人が申告しないのであれば、お声掛けしない」、ローソンも「現時点では、自己申告に基づくので、報告を受けて何かするということは想定していない」と説明します。つまり公平を期そうと勇気を持って報告したとしても、「なかったこと」にされてしまう可能性が高いと言えます。

(中略)

●国「倫理上はともかく、制度上の問題はない」

この混乱を国はどう見ているのでしょうか。国税庁は「倫理上どうなのかという観点は別になりますが」と前置きした上で、「軽減税率が適用されるかどうかの判定は、事業者が客に飲食料品を譲渡した時点で行われます。コンビニではレジで飲食料品を販売した時点で、判定されるため、(その後に客が店内で飲食していたとしても)制度上の問題はありません」と説明します。また、「自己申告をしたのに、8%で処理された」というケースは、事業者が最終的に適正な納税をしていれば脱税には当たりません」という見解を示しています。

制度上の問題はないとしても、倫理上おかしいと感じることが少なくないコンビニの軽減税率問題。今後、コンビニ各社がどう対策に乗り出すかが注目されます。