抗精神病薬の「リスパダール」を服用したアメリカの男性が、副作用で胸が女性のように膨らんだと主張して医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」を訴えた裁判で、アメリカの裁判所は会社に対し、80億ドル日本円でおよそ8500億円の賠償の支払いを命じました。

この裁判は、アメリカ・メリーランド州に住む26歳の男性が、子どものころ医者に処方された抗精神病薬の「リスパダール」を服用したところ、副作用で胸が女性のように膨らんだと主張し、副作用の警告を怠ったとして販売元の医薬品大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」に損害賠償を求めているものです。

東部フィラデルフィアの裁判所の陪審は8日、会社に対し、80億ドル日本円でおよそ8500億円の賠償の支払いを命じる評決を言い渡しました。

「リスパダール」をめぐっては、服用したところ女性のように胸が膨らむ副作用があったとして会社側を訴える裁判が1万3000件余り起こされていて、今回の賠償額は一連の裁判で最高額だとアメリカのメディアは伝えています。

評決に対し「ジョンソン・エンド・ジョンソン」は、会社のホームページで、「行き過ぎた、根拠のない評決を取り消すための行動に出る」とする声明を発表し、上訴する方針を明らかにしました。

2019年10月9日 16時05分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/k10012119291000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_005
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191009/K10012119291_1910091614_1910091617_01_02.jpg