台風19号では浄水場などの水没や水道管の破損で最大15万戸が断水した。

 18日午後1時現在、12都県の9万5705戸が未解消だ。

 「断水が続く限り、生活再建もままならない」。同日朝の時点で3万6000戸が断水している福島県いわき市。自宅が床上浸水し、泥だらけになった室内を清掃する会社員男性(45)はため息をついた。

 清掃には友人らにもらった水を使っているが、泥を洗い落とすには到底足りない。親戚宅で避難生活を続ける男性は「自宅に戻れるのは当分先になりそう」とつぶやいた。市内の診療所も水不足で診察に影響が出かねない状況にある。

 断水の原因は、市内最大の平浄水場が水没したためだ。近くを流れる夏井川の氾濫が原因で、復旧には今後10日以上かかる見通し。浄水場は1974年に完成し、2000年に市のハザードマップで浸水想定区域に入ったが、特段の浸水対策は取っていなかったという。

 水道インフラの災害リスクは全国に潜む。昨夏の西日本豪雨を受け、厚生労働省が全国の主要な浄水場などを緊急点検したところ、3152施設が浸水想定区域にあることが判明。うち2552施設は防水扉を設けるなどの浸水対策も行われていなかった。

 同省はこのうち、浸水で大規模断水につながるおそれがある浄水場147か所の緊急対策の実施を決定。今年度の当初予算に259億円(土砂災害対策なども含む)を計上し、経営が厳しい水道事業者には対策費用の3分の1を補助している。台風19号の被災地には、38か所が含まれているという。

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