気象庁 最新の洪水危険度示す地図 “最も低い” 川が氾濫 新潟
NHK 2019年10月18日 19時12分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191018/k10012138631000.html

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台風19号の影響で多くの住宅が水につかる被害を及ぼした新潟県長岡市の浄土川について、
被害が出た当時、気象庁が川の水位上昇の見込みを知らせる「洪水警報の危険度分布」では最も低いレベルだったことが分かりました。
これについて新潟地方気象台は「今の気象庁の技術では十分表現できないという課題があり、改善に向けて努力しています」と話しています。

「洪水警報の危険度分布」は、全国で中小の川があふれる被害が相次いだことを受けて、気象庁がおととしから運用を始めたものです。

水位計がない川など全国およそ2万の川について、洪水による水害の危険性をリアルタイムで、
5段階で色分けして地図上に示し、住民が避難する参考情報として運用されています。

しかし、台風19号の影響で流域の住宅125棟が水につかる被害を及ぼした長岡市の浄土川で、
すでに被害が発生していたとみられる13日午前8時に、この「危険度分布」では「今後の情報に留意」と最も低いレベルだったことが分かりました。

浄土川があふれた原因は、
本流の信濃川の水位が上がることで支流の水がせき止められて水位が上昇する「バックウォーター」と呼ばれる現象によるものとみられ、
長岡市は、事前に予測して住民に避難情報を伝えるのは難しかったとしています。

新潟地方気象台の金子法史観測予報管理官は「危険度は周辺の雨量を基に算出するものであり、
『バックウォーター』による水位の上昇は反映できていない」としています。

そのうえで「今の気象庁の技術では十分表現できないという課題があり、
改善に向けて鋭意努力しています」と話しています。