消費税率が10%に引き上げられて1日で1か月。外食大手やデパートで売り上げが落ち込んでいます。

■すかいらーく キャンペーンで落ち込み防ぐ

外食大手の「すかいらーくホールディングス」は、先月1か月間の売り上げが想定より落ち込んだとしていますが、その背景に消費税率引き上げの影響があったと分析しています。

「すかいらーく」によりますと、先月1か月間の売り上げは前の年の同じ月より数%減って、想定より落ち込んだとしています。

これについて会社は、台風や大雨が相次ぎ、外出する人が減ったことに加えて一部の店舗で営業を取りやめた影響も大きかったとしていますが、売り上げが落ち込んだ背景には消費税率引き上げの影響もあったと分析しています。

このため会社はアプリで会員登録した顧客を対象に、ハンバーグなど一部のメニューの価格を2割から4割ほど割り引くキャンペーンを31日から行っています。

年内はこうしたキャンペーンを相次いで打ち出し、消費の落ち込みを防ぎたいとしています。

この会社は消費税率の引き上げ後も本体価格を据え置き、「店内飲食」と「持ち帰り」で、税込み価格を別々に設定していますが、レシートを見た客が混乱する様子もみられたということです。

「すかいらーくホールディングス」の伊藤宏泰さんは「軽減税率を理解してもらうため、説明を尽くしたい。さまざまなメニューのお得感を出すような取り組みを進め、改めてレストランで食事をする楽しみを感じてほしい」と話していました。

■高島屋横浜店 食品売り場強化

駆け込み需要の反動などで、デパートでは消費税率の引き上げ後、売り上げが落ち込んでいます。

このうち横浜市にある高島屋の店舗では増税前の駆け込み需要の反動に加えて、台風19号の影響で店舗を臨時休業したことから、先月の売り上げは去年の同じ月に比べて20.1%減少しました。

こうした中、この店舗では21億円をかけて、地下の食品売り場の面積を再来年の春までに1.5倍に順次拡大する計画を進めています。

軽減税率が適用され、日常的に購入する食品の販売を強化することで、客が店舗を訪れる回数を増やしていきたいとしています。

高島屋の青木和宏横浜店長は「10月は化粧品や高額品が反動で落ち込んだが、5年前の消費税率の引き上げのときよりは駆け込み需要が小さかったので、12月までには売り上げを戻したい」と話しています。

2019年11月1日 18時05分
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