11/1(金) 11:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191101-00589843-shincho-soci

「わたしはフェミニストじゃないけど、女はたしかに生きるの大変かもね」

 そう言ったのは、わたしの友人だ。野球とサンタナの音楽が好きな大酒飲みで、アルバイト先で知り合って以来、もう十何年の付き合いになる。今は結婚して子どもがいて、年に1、2回しか会わない。会えば音楽や政治や社会問題や将来について、酒を飲みながら話し合う。

「でも、わたしは柊ちゃんみたいに直接女性差別を見たり、被害に遭ったりしたことがないからなあ」

 彼女は、まるで自分がそんな大層なことを語る資格なんてないとでも言いたげだ。わたしはそれを聞いて、胸の内で即座に問い返す。

 それ、本当に? 
女性差別の被害者って誰のこと? 

 彼女が「直接出会ったことがない女性差別やその被害」と言ったのは、わたしがこれまでに遭遇してきた性犯罪や性暴力のことだ。性風俗店に来る犯罪スレスレの迷惑客や、電車や夜道で遭遇した痴漢やぶつかり男たち。なるほど、それらとの遭遇はたしかに被害と呼ぶに相応しい。


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