英国の2019年第3四半期の電力供給において、風力、バイオマス、太陽光といった再生可能エネルギー源が40%を占めた。一方、化石燃料(英国においては実質的にすべてガス)は39%であったことが、カーボン・ブリーフ(Carbon Brief)の気候変動アナリストらによって明らかになった。残りの21%の大半は原子力によるものだ。再生可能エネルギーが化石燃料を抜いたのは、1882年に英国で発電所が稼働を始めて以来初。英国のナショナル・グリッド(送電事業者)は、今年中にゼロカーボンの電力がガスおよび石炭による発電を上回ると予測していた。

この状況が達成された大きな要因となったのが、今年7月から9月にかけて運用が開始された、いくつかの新たな洋上風力発電所だ。風力タービンがより大型化し、効率が向上する中、英国の風力発電産業は活況を呈しており、商業的な正当性も確保しやすくなっている。

わずか10年前には英国の電力の5分の4を化石燃料が占めていたことを考えれば、英国は急速な進歩を遂げたことになる。だが、他国はさらに先を行っている。いずれにせよ英国は、世界の二酸化炭素排出という点ではわずかな割合を占めているに過ぎないことも心に留めておくべきだ。ドイツは昨年の段階で今回の英国と同じ状況を達成しており、スウェーデンは7年前に達成している。アイスランド、ノルウェー、コスタリカの電力網は、ほぼすべてが再生可能エネルギーで賄われている。

しかしながら、より大きな観点からすると、最も重要なのは中国、米国、インドの3カ国だ。この3カ国が、世界の二酸化炭素排出の約半分を占めている。中国のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーが占める割合は約27%であり、米国ではわずか18%に留まっている。

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