11/8(金) 11:19配信
Web東奥

 民有地の草むらに、ぽっかりと開いた穴が衝撃の強さを物語っていた。6日、米軍三沢基地所属のF16戦闘機が重さ226キロの模擬弾を落下させた事故。六ケ所第二中学校と南小学校から北西に約1キロしか離れていなかった。人命に関わる重大な事態にもかかわらず、周辺自治体には当日のうちに知らされなかった。昨年2月には今回の現場に近い小川原湖でF16が燃料タンクを投棄する事故があったばかり。度重なるトラブルと連絡の遅さに、地域住民や学校関係者からは7日、憤りの声が上がった。

「6日夜の出来事なのに全く知らせがなかったが、どういう判断なのか」。南小の小山内宏太校長は取材に対し、語気を強めた。

 発生を知ったのは事故から19時間近くたった7日午後1時20分ごろ。東奥日報紙を含めた取材で分かった。「もし子どもたちがいる時間に学校に落ちていたらと思うと怖い。今後こういったことは絶対にあってはならない」

 六ケ所村の戸田衛村長も「村内に模擬弾が落とされたのは昨日なのに、連絡があったのは今日の午前。遅すぎる」と連絡の遅さに不満を爆発させた。「今回は民家にも近い位置で、人命に関わる事態だ」と憤った。村役場で三沢基地のクリストファー・W・ストルーヴィ司令官の謝罪を受けたが、表情は厳しいままだった。

 不法投棄のパトロールで現場を通り掛かった近くに住む男性(78)は「記憶では以前も模擬弾がこの辺りに落下したことがあり、今回で2回目」と話した。黒々とえぐれた地面を見やり「こんな勢いでもし民家に落ちていたら…」と言葉を失った。

 昨年2月の燃料タンク投棄事故で被害を受けた小川原湖漁協(東北町)の濱田正隆組合長は、繰り返された事故に「とんでもない話だ。組合員は精神的に大きなショックを受けていると思う」と怒りをあらわにした。

 自宅が落下地点に近いという。「学校なども近く、一歩間違えれば大変なことになる。米軍が安全管理をできていない証拠だ。組合員はおっかなびっくり、漁をしなければならない」と厳しく批判した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191108-00000002-webtoo-l02