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■敵対視の書き込み
 「京アニに裏切られた」「原稿叩(たた)き落として裏切ること」「爆発物もって京アニ突っ込む」
 インターネットの掲示板に、京アニを敵対視する文言が書き込まれるようになったのは昨年の秋だ。
 こんな記述もあった。「思考盗聴まで行ってアイデアをパクる」。京アニの公式サイトの問い合わせフォームにも、特定の社員3人への殺害予告や脅迫も200回ほど書き込まれていた。
 7月18日、京アニ第1スタジオに火を放った青葉容疑者は、府警に身柄を確保された際、「俺の小説をぱくった」と叫んでいた。
 京アニが実施した小説の公募に、さいたま市見沼区の住所から青葉容疑者と同姓同名の人物から小説の応募があった。捜査関係者は「読める内容のものだった」と打ち明ける。
 実際、青葉容疑者と同姓同名の人物が小説を応募していることから、青葉容疑者が叫んだ「ぱくった」は、「盗んだ」という意味と考えられる。
 ただ、この小説は1次審査で落選しており、京アニ側は「これまで制作された弊社作品との間に、同一または類似の点はないと確信している」とコメント。「盗まれた」というのは、本人の思い込みにすぎない。
 掲示板に書き込んだのが青葉容疑者自身であっても不自然ではない。しかし、そこまで憎しみを募らせる理由は見当たらない。

 府警は青葉容疑者宅の家宅捜索で、大量の原稿用紙やタブレット端末、複数のスマートフォン、京アニ関連グッズを見つけた。部屋は、かつて暮らしていた雇用促進住宅の部屋と同様に荒れており、怒りをぶつけたかのような壊れたスピーカーもあった。
 怒りの背景は何か。
 犯罪心理学が専門の東京未来大学の出口保行教授は、青葉容疑者の生い立ちに注視する。社会にうまく適応できず、「なぜ社会が自分を評価してくれないのか」という疎外感を持っていたことは、事件前の行動から想像できるとし、「青葉容疑者がその疎外感を『社会が悪い』『世間が悪い』と責任転嫁し、不満を敵意に変えていったのではないか」と分析する。
 その上で「『小説をぱくった』という発言のように、本人が敵と思い込むだけのものがあったのだろうが、あくまで本人の思い込みにすぎない」と、一方的に恨みを募らせていった可能性を指摘する。
 捜査幹部は「過去のトラブルや性格などは徐々に見えてきているものもある。ただ、決定的に動機や犯行手段につながるものは今のところまだよくわからない」と話し、こう続けた。「全容を解明するには相当な時間がかかるだろう」
https://www.sankei.com/smp/west/news/190817/wst1908170016-s1.html


「京都アニメーション」のスタジオが放火された事件で、警察が殺人や放火などの疑いで逮捕状を取っている青葉真司容疑者について、会話ができる状態にまで回復したとして、事情聴取を始めたことが捜査関係者への取材で分かりました。

青葉容疑者は容疑を認め、病院関係者に対し、「どうせ死刑になる」などと話しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191109/k10012170851000.html