(ブルームバーグ): 電子たばこ使用者が重度の肺障害を発症するケースが相次いでいる問題で、米疾病対策センター(CDC)は潜在的原因の1つとして酢酸ビタミンEに着目している。

CDCが8日公表した報告書によると、10州から送付された肺障害患者29人の気管支肺胞洗浄検査のサンプルを調べた結果、全員から酢酸ビタミンEが検出された。これにより生物学上の関連性が初めて示されたと、アン・シュチャット首席副所長は説明した。

酢酸ビタミンEは粘着性のあるシロップ。電子たばこ用リキッドを違法に製造している一部の業者が、必要な有効成分の量を減らす目的でテトラヒドロカンナビノール(THC)を含有する製品に添加している。THCは大麻の主な有効成分。

9月初めにニューヨーク州保健局は肺障害の患者が使用していた製品の検査で酢酸ビタミンEが確認されたとして原因物質の可能性を指摘していた。

CDCは酢酸ビタミンEが肺障害を引き起こす仕組みを解明するとともに原因になり得る物質が他にもあるかどうかを確認するため、調査を続けている。

7日のCDCの発表によると、電子たばこ使用に関連する肺障害の報告は11月5日時点で2051件。49州とコロンビア特別区、1つの米領で報告されている。確認された死亡者は39人に上っている。

11/11(月) 12:52配信Bloomberg
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