IR 2025年万博前の全面開業は困難 事業者側が厳しい見通し
11/11(月) 19:03配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191111-00000057-ytv-l27

 2025年の万博開催まで5年余りとなる中、大阪府と市が計画するカジノを含む統合型リゾート=IRの開業が間に合うのか。事業者側から厳しい見通しが示されていることが分かった。

 吉村洋文府知事は「(万博前の開業は)目指しているし、そこは変わらない」と、カジノを含む統合型リゾート=IRの開業時期について、改めて強気の姿勢を示した。

 大阪府と市は現在、2025年の万博前のIR開業を目指している。

 夢洲の中に、IRの予定地と万博の会場が隣り合う計画で、IRだけでも1兆円の投資が見込まれている。

 しかし、ここに来て、IR開発を検討する複数の事業者から「万博前の全面開業は難しい」との声が上がっているという。

 吉村知事は「IR事業者からはやっぱりその工期が非常にタイトだと、あわせて万博の工事があるという中で、制約も多いということの懸念が示されているのは事実」と認める。

 大阪での開業に名乗りを上げている3社のうちの1社は「非常にチャレンジング、すべてを開業となると今日にも工事を始めないといけないというタイミングです」と説明した。

 府と市によると、万博まであと5年余りとなる中、IR事業者からは「工期が間に合わない」「府と市が担う上下水道や道路などのインフラ工事の計画も、まだ示されていない」と懸念の声が上がっているという。

 ギャラクシー・エンターテインメント社は「府と市とのやり取りは答えられない」とする一方、府の幹部は、読売テレビの取材に対して現在の状況をこう話した。

 「IR事業者が工事を巡って、いろいろ条件を出してきている。その中で(万博前の)全面開業は無理だと伝えてきている。府市としては事業者がそう言ってきている以上は、断念せざるをえない状況だ」

 元々、万博開催とIRの開業は「セット」だとこだわってきた大阪府と市。大阪市の松井一郎市長は「今の時点ではまだ不確定な要素はたくさんあるけれども、相乗効果を発揮するために、やはり万博のスタートまでにオープンを、お互い努力しながら目指していこうということです」と述べた。

 万博前のIR全面開業に黄色信号が灯る事態に、府と市ではカジノとホテルの一部を先行して開業させる案を検討しており、今月中にも具体的な計画が示される予定だ。