厚生労働省が10月31日に発表した「平成30年度衛生行政報告例の概況」によると、平成30年度末の理容所数は前年度比1.6%減の11万9,053施設となる一方、美容所は同1.4%増の25万1,140施設となった。

 直近の施設数の推移を見ると、理容所は平成26年度末が12万6,546施設、平成27年度末が12万4,584施設、平成28年度末が12万2,539施設、平成29年度末が12万965施設、平成30年度末が11万9,053施設と減少傾向が続いている。

 他方、美容所は平成26年度末が23万7,525施設、平成27年度末が24万299施設、平成28年度末が24万3,360施設、平成29年度末が24万7,578施設、平成30年度末が25万1,140施設で推移し、理容所が減少傾向にあるのとは対照的に増加傾向が続いている。

 なお、日本フランチャイズチェーン協会の発表によると、10月度のコンビニ店舗数は全国で5万5,688店舗となっており、美容所の数はコンビニの店舗数の約4.5倍となっている。

 一方、東京商工リサーチは11月11日、「2019年(1月〜10月)美容室の倒産状況調査」の結果を発表した。

 1月から10月に発生した美容室の倒産件数は前年同期比29.5%増の92件で、同期間での比較では、2000年以降で最多だった2011年の81件を上回って最多となった。このままのペースで推移すると、年間で最多だった2018年(1月〜12月)の95件を超え、初めて100件を上回る可能性がある。

 倒産の内訳は、負債額別では「1億円未満」が87件(構成比94.5%)、「1億円以上5億円未満」が5件(同5.4%)、「5億円以上」は0件だった。資本金別では個人企業を含めた「1,000万円未満」が88件(同95.6%)、「1,000万円以上5,000万円未満」が4件(同4.3%)で、美容室の倒産のほとんどが小・零細規模だった。原因別では「販売不振」が75件、赤字累積による「既往のシワ寄せ」が7件、運転資金の欠乏など「過小資本」が3件となった。

 また、東京商工リサーチの企業情報データベース(379万社)で美容室の「休廃業・解散」を抽出したところ、2018年(1月〜12月)の休廃業・解散は242件で、過去20年間で最多だった。休廃業・解散は2013年から大幅に増えており、2016年に初めて200件を突破した。

 美容院は施設数の増加が続く一方で、小・零細規模の美容室を中心に販売不振に陥り、市場から撤退するケースも増えているようだ。


(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)

11/23(土) 12:00配信MONEYzine
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