ことし8月、東京 千代田区の交差点を青信号で渡ろうとした男の子が緊急走行のパトカーにはねられ死亡した事故で、このパトカーは交差点内では速度を落とし徐行するという決まりに反し、時速40キロ以上で走行していたことが捜査関係者などへの取材で分かりました。警視庁は26日にも、運転していた警察官を書類送検する方針です。

ことし8月、東京 千代田区麹町の交差点で、当時4歳の男の子が青信号で横断歩道を渡ろうとしたところ、緊急走行のパトカーにはねられ意識不明の重体となり、およそ1か月後に死亡しました。男の子は亡くなる前、入院先の病院で5歳の誕生日を迎えていました。

警視庁の規程で、パトカーは緊急走行中でも交差点を通るときは速度を落として徐行する決まりになっていますが、捜査関係者などによりますと、このパトカーは男の子をはねたとき、決まりに反し時速40キロ以上で走行していたということです。

パトカーは当時、薬物事件の捜査で容疑者の尿を鑑定するため、警視庁本部に向かっていたということです。

警視庁は、速度を落として安全を確認することを怠ったなどとして、パトカーを運転していた新宿警察署の51歳の巡査部長を26日にも、過失運転致死の疑いで書類送検する方針です。

■男の子の父親「激しい憤り」

亡くなった男の子の父親はNHKの取材に応じ、「当日、子どもに同行していたので、『自分が目を離さず見ていれば』という後悔と『青信号を渡っていたのに』という割り切れなさが今も心の中で回っています。一番、交通法規を守らなければならない存在であるパトカーが交差点で徐行義務があるのに徐行していなかったことについては激しい憤りを感じています」と話していました。

2019年11月26日 6時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191126/k10012191101000.html
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