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温室ガス排出量、過去最高 削減5倍増を―国連
2019年11月26日17時07分

 【ベルリン時事】国連環境計画(UNEP)は26日公表した温暖化対策の年次報告書で、昨年の世界の温室効果ガス排出量が553億トン(二酸化炭素=CO2=換算)と、前年に続き過去最高を更新したことを明らかにした。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で定められた、産業革命前からの気温上昇を1.5度にとどめる努力目標を達成するには、各国が合意した排出量削減を5倍に増やす必要があると強調した。


 報告書は、マドリードで来月開かれる国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に提出される。UNEPのアンダーセン事務局長は声明で「問題を先送りしてきた分を取り戻せなければ、2030年までの1.5度目標達成は不可能となる」と訴えた。

 UNEPは、現在決定している対策のみでは30年に気温は「3.2度上昇する」と予測。さらに、世界の排出量の78%を占める20カ国・地域(G20)の中では、日本や米国、ブラジル、韓国など7カ国が現在掲げている30年時点での削減目標も達成できない見通しで、追加対策が必要と指摘した。