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羊1万4600匹乗せた貨物船転覆、多数が死んだ恐れ ルーマニア
2019年11月27日 0:16 
発信地:ブカレスト/ルーマニア [ ルーマニア ヨーロッパ ]
【11月27日 AFP】ルーマニア沖の黒海(Black Sea)で、羊1万4600匹を乗せた貨物船が転覆した事故で、翌25日には多数の羊が死んだ可能性が浮上した。これを受けて、議論を呼んでいた家畜の海上輸送の禁止を求める声が改めて強まっている。

 サウジアラビアに向かおうとしていた貨物船「クイーン・ハインド(Queen Hind)」号は、ルーマニアのミディア(Midia)港を出発して間もなく転覆した。転覆の原因は明らかになっていない。


 乗組員のシリア人20人とレバノン人1人、さらに32匹の羊が救助された。救出された羊は、ミディアにある保護施設に移送された。

 船倉を確認するため船内に入ることができた人はいないが、動物愛護団体「アニマルズインターナショナル(Animals International)」が公開した写真や動画は、船内で死んだ羊や、周囲の海に浮いている羊数十匹を捉えている。

 救助隊は荒天と高波に見舞われる中、パラオ船籍の同船を1キロも離れていないドックまでえい航しようとしている。

 地元救助当局の関係者はAFPに対し、貨物を同船から切り離し、船を再び浮上させる作業が行われていると明かした。

 同関係者は、この作業が済めば、救助隊がとどまっている羊を外に連れ出すことができるとして、「一部はまだ生きていることを願っている」と述べた。

 地元の獣医療当局は、死んだ羊の死骸は焼却処分され、生き残った羊は飼育場へ戻されるとしている。(c)AFP